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- 外為取引戦略
- 取引スタイルに基づいた戦略
- スプレッド取引
スプレッド取引とは
キー・ポイント
- スプレッド取引は、2つの商品間の金利差や価格差の差額(スプレッド)を利用して行う取引のことをいいます。
- 一般に割高な銘柄を売り、割安な銘柄を買うことによって、利鞘(利益)を得ることができます。
- 商品取引の世界では、これを「サヤ取り商い」とも呼びます。
- 本取引は、先物取引やオプション取引、債券取引などにおいて活発に行われています。
スプレッド取引戦略
一般にスプレッド取引は、ヘッジファンドやディーラーなどが多用する投資手法の一つであり、その主な特徴は、買いと売りの両建て取引、2銘柄のスプレッドの拡大・縮小を予想する取引、市場全体の上げ下げの影響を受けにくい取引であり、その発想次第では多様な投資戦略を考えることができます。
スプレッド取引とは
先物取引において、異なる2つの限月取引間の価格差により呼値を行い、取引が成立した場合には、2つの限月取引について、一方の売付けと他方の買付けが同時に成立する取引です。
スプレッド取引のメリット
- 取引リスクが低いです。
- 取引の長さは6–21日間となります。
- 安定した収入の機会
- ボラティリティが反発すると、利益が上昇しています。
スプレッド取引のデメリット
- 利益が低いです。
スプレッド取引のタイプ
下記のタイプがあります。
- インターマーケットスプレッド取引
- 市場間スプレッド取引
- オプション取引
- IRSスプレッド
カレンダー・スプレッド・オプション
一般にオプション取引の教科書ではボラティリティー(価格変動率)をトレードする方法として、「カレンダースプレッド」と「リバースカレンダースプレッド」が紹介されることが多いので、今回と次回、2回にわたってこれらの戦略について検討します。
カレンダースプレッドとリバースカレンダースプレッド
カレンダースプレッドとリバースカレンダースプレッドは、異限月の銘柄を取引します。オプションの価格表は、通例、権利行使価格を縦に、限月を横に配列するのが一般的です。異限月の組み合わせは、価格表の横の関係にある銘柄の買い玉・売り玉を組み合わせるので、「ホリゾンタル」スプレッドとよぶこともあります。また、異限月間取引は満期までの時間差を利用することから「タイム」スプレッドとよばれることもあります。
カレンダースプレッドは、満期が近い方の銘柄(期近)を売り、満期が遠い方の銘柄(期先)を買います(図表1)。原則として、期近と期先を同じ権利行使価格とし、それぞれ同じ枚数でポジションを組成します。オプション価格は期近の方が必ず安いので、組成時は支払いになります。そして期近が期先よりも高くなることはないので、期近と期先を同時に手じまいする限り、最初に支払った価格を超える損失にはなりません。
カレンダースプレッド
コル$0.87を売り(コントラクト当たり$87)
コル$1.02を買い(コントラクト当たり$102)
ベガは必ず期近よりも期先の方が大きいため、期近を売って期先を買うポジションでは、ベガは必ずプラスになります。このようにベガがプラスである点に注目して、カレンダースプレッドは、いわゆるベガロング、すなわちインプライドボラティリティーの上昇を予想してとるポジションであると説明されるのです。
ただ、このカレンダースプレッドは他のリスクもとってしまっています。アット・ザ・マネーでカレンダースプレッドを組成した場合、当初デルタは±0ですが、ガンマがマイナスですから、相場が大きく動くとガンマから損失が出ます。損益グラフが山の形をしていることがそれを表現しています。ガンマが敵なのですからシータは味方です。すなわちタイムディケイの恩恵にあずかることができます。
カレンダースプレッド戦略
また、カレンダースプレッドは期近売り、期先買いのポジションですので、期近が期先に対して相対的に高いタイミングで組成するのがよく、かつ相場が自分のいる権利行使価格に近づくとうれしい性質を利用しましょう。すなわち、急落時に先に反応した期近のIVが高まったタイミングで、その地点からアウト・オブ・ザ・マネーのプットで組めば、さらなる下落は自分の権利行使価格に近づくので有利ですし、その下落で遅れていた期先のIVが上がる可能性もあります。